絶望ワンナイト
瞼を開けると見覚えのない天井が映る。どうやらここは三角屋根の家のようだ。屋根の勾配に合わせて斜めになっている天井は、綺麗に隙間なく並べられた板と丸太のような太い木材の骨組みで作られている。
ベッドには私だけ。体を起こすとシーツが捲れ、自分が裸だということに気がついた。
昨日ハメを外しすぎたか――相手は誰だろう? バッファローマンかブラックホールかカーメンか……もしくはアトランティス? アトランティスはこんなログハウスみたいなところに住んでるかなぁ?
うぅんと唸り、眉間に皴を寄せながらシーツを肩まで上げる。
それを見計らっていたかのようにコンコンコン、とドアがノックされて開き、パンケーキの匂いがふわっと香った。
「お、起きてた? いや~、昨日はなんというか……いい夜だったよなぁ。君があんなに積極的だなんて……あ、オレは別に悪魔超人でも気にしねぇから!」
出来たてのパンケーキを片手に現れたのは、バッファローマンと同じくらい大きい体と額のメープルリーフが特徴的なあの国辱超人――カナディアンマンだった。
なんで? どうして? 昨日はみんなと飲んでたはずなのに、なにがあったの⁉
ショックが大きすぎて悲鳴を上げる前に意識が薄れていく。
私は再びベッドに倒れ込み、意識を手放した。