ブロッケンJr. 陥落テクニック
「う~、花壇花壇」
今じょうろを片手に花壇へ全力疾走している私は、宇宙超人委員会に所属している一般的な正義超人。強いて違うところをあげるとすれば、他人の技をコピーできるってとこかナ――
名前はエルベ。
お花に水をあげるために国立競技場の花壇にやって来たのだ。
ふと見るとベンチに一人の超人が座っていた。
(アラッ! いい男……)
そう思っていると突然その男は、私の見ている目の前で軍服のボタンを外し始めたのだ……!
「……ないか」
「ああぁぁぁぁぁぁ……ヤります! ぜひ! ぜひ!! ヤりますぅぅぅぅぅ!!」
「ゲェーーーーッ! 何だこいつ! オレは暑くないかって言ったんだ!」
そういえばこのベンチはカピラリア七光線が当たることで有名だった。
イイ男に弱い私は誘いだと勘違いをして、はぁはぁとロケーションムーブでベンチに飛び乗っちゃったのだ。
彼――かなりワルっぽい正義超人でブロッケンJr.と名乗った。
女に襲われることには慣れていないらしく、ベンチに飛び乗るなりベルリンの赤い雨が私を襲う。
「肉のカーテン!」
「こ、この女ヤベェッ! 他人の技を……!」
うわぁぁぁぁぁと悲鳴を上げながら逃げていくブロッケンJr.に私は舌舐めずりをする。狙った男は必ず抱かなければ気が済まない。
ブロッケンJr.、絶対絶対落としてやるから首を洗って待っていろ!
そんなベンチに座ってたら死ぬど?!?!
2024.09.09
2024.09.09